2008年2月 のアーカイブ

自己分析の見方

 
「     自己分析とは自分に良い・悪いのレッテルを貼ったり、 評価を下したりすることではない。
 
                具体的に言えば、今まで自分がしてきた行動について
              「なぜそうしたのか」「なぜそう考えたのか」を探っていくこと。
 
      結局のところ、自己分析とは“自分なりに考えて行動した場面”を思い出すこと、である。      」
                                                ‥‥まなびどっとこむより‥‥
 
 
【登場人物】
守護 恵純‥‥‥‥男性。高校生。
二階堂 零次‥‥‥男性。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
雫 天使‥‥‥‥‥女性。
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
神無月 悪魔‥‥‥男性。
 
 
 
恵純・『おや、本日は凛さんの姿が見えませんね。』
 
 
二階堂・『ああ。彼女は現在、休暇中だ。
      今頃、何処かに旅に出かけている頃だろうな。』
 
 
孝太郎・『へえ。凛さんが休むなんて、珍しいね。』
 
 
雫・『ふんだ。あんな宝塚、いなくてせいせいするわよ。
   どーせなら、そのまま海外に永住して、自分の乳でも搾って暮らしてればいいのよ。』
 
 
二階堂・『ふむっ。その意見には私も同感だな。』
 
 
孝太郎・『‥‥そこは同意するところじゃないと思うんだけど。』
 
 
恵純・『おそらく、零次さんも牛が恋しい年頃なのでしょう。』
 
 
二階堂・『そんな危険な響きの年頃を捏造するでないっ!
      同意というのは、凛クンがいなくなれば上の席も空き、私のチャンスも増える部分だよ。』
 
 
悪魔・『マテマテ。
    ココは空いた一枠に、従順なツンデレキャラをぶっこんで
    俺にだけ尽くすようインプットすべきだろ。例えばほら、某ボーカロイdどぼぐっ!?
 
 
雫・『アンタの意見は聞いてないのっ!』
二階堂・『お前の意見なぞ聞きたくも無いッ!』
 
 
孝太郎・『‥‥なんかさぁ、本人がいなくなったのを良いことに、
      冒頭からもの凄い発言が飛び交ってるけど。止めなくていいの?』
 
 
人美・『どうして止めるの?
    あそこまで力強く宣言されちゃうと、もう何をしても無駄なんだなって思うけど。』
 
 
恵純・『しかし、己が欲望を追求する姿勢とパワー。
     欲望のままに生きる人間が、いかに逞しいかを物語っていますね。』
 
 
孝太郎・『‥‥いやだから止めようってばぁ‥‥』
 
 
人美・『孝太郎の言い分もワカラナイではないけど。
    理性を捨て去り、脊髄反射と本能で活動できるナマモノは、ある意味貴重だし。
    それに今回は、ワシントン条約に引っかかってそうな猛獣を集める必要もあったので。』
 
 
悪魔・『猛獣ってどゆことじゃい!?』
 
 
人美・『ん~っと、簡単に説明しちゃうと。
    今日は、自己が破綻してる方に集まってもらったの。』
 
 
二階堂・『ちょっと待てっ!』
雫・『ちょっと待てっ!』
悪魔・『チョット待てっ!』
 
 
孝太郎・『な~る。確かに、冒頭から立派な破綻っプリだったね。』
 
 
二階堂・『コラコラコラ!
      確かに否定しにくい部分はあるが、ストレートに云われると納得できん!』
 
 
孝太郎・『‥‥一応、自覚はあるんだね‥‥』
 
 
恵純・『しかし待ってください。
    皆さん‥‥ということは、ひょっとして私も含まれるのですか?』
 
 
人美・『貴方は見本。』
 
 
恵純・『??』
 
 
雫・『はんっ!
   仮に百歩譲って、私が破綻してたとしてもよ。それが何だって云うのよ。』
 
 
孝太郎・『何だって‥‥って、ちょっとぉぉ。
      そんな仁王立ちで宣言されても、何か色々と間違っちゃってるよ。』
 
 
人美・『そう。色々と間違っちゃってるの。
    だからここは一つ。自己分析で自己を見直してもらおうかと。』
 
 
悪魔・『なるへそ~~。んじゃ、俺はスルーしてくれ。
     クソめんどくさい自己分析など、俺には必要ないぞよ!』
 
 
人美・『ホントに?』
 
 
悪魔・『もちろんだ。』
 
 
人美・『なら、私が強制的に破綻させるのと、どっちがいい?』
 
 
悪魔・『今すぐ自己分析しますのでその鈍器を引っ込めてお願いぷり~ず。』
 
 
人美・『そう。
    強い者には本能的に逆らわないなんて、ホント素直で良い子ね。クスクスッ。』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥じゃあ、まずは天使さんからやろっか。』
 
雫・『ワタシ? ・・・まあいいわよ。』
 
 
恵純・『では伺いましょう。
     雫さん。あなたにとって、自身の"長所"と"短所"は何と考えていますか?』
 
 
雫・『私が好きなのは「美男子」・「お金」・「食い物」。
   この3点は、私の人生において欠かせない要素だわね。』
 
 
孝太郎・『‥‥それは、頭のデキが3点ってことでいいのかな?』
 
 
人美・『じゃ、短所は?』
 
 
雫・『家事全般と、面倒なこと全般。
   あと、幸せな人とかお金持ちも、美少女も好きになれないわね。』
 
 
二階堂・『君は小学生かねっ!? 
      ハッキリ言って、君の好き嫌いなどどうでもいいわっ!』
 
 
雫・『ううっ、じゃなんだってのよ?』
 
 
孝太郎・『ココで答えて欲しいことは、自分の長所と短所だよ。
      あるいは、その傾向とかさ。もっと深く突っ込んだものとか、なんかあるんじゃん?』
 
 
雫・『う~~ん。そういわれてもねぇ。
   長所は数え切れないほどあるけど、短所はぜんぜん思いつかないわね。』
 
 
孝太郎・『だーもうっ!』
 
 
人美・『じゃ、次。元チーフは?』
 
 
二階堂・『私は、地位と名誉と権力を好む。
      即ち、私の長所はソレに相応しい人間だということだ!』
 
 
悪魔・『あと「胸」もだろ?』
 
 
二階堂・『そうそう――ってそこは言わなくてよろしい。』
 
 
恵純・『では、短所は何でしょうか?』
 
 
二階堂・『私の短所は、地位や名誉や権力に絡まない雑用ができない事だろう。
      コレは、遺伝子的な拒絶反応で、雑用が出来ない体になっている、といって良いな。』
 
 
雫・『‥‥アンタ、それって社会人として致命的欠点じゃないのさ。』
 
 
人美・『要するに、命令するのは大好きで、命令されるのは大っ嫌いと。
    しかも自覚症状があって、それは分子単位にまで刻まれているらしい。』
 
 
孝太郎・『うわぁ‥‥。なんかもう色々と絶望的だね。』
 
 
恵純・『しかし、比較的メジャーな性格といえるでしょう。
     何故なら、上に立つ人々の大半が、
    他人を命令する事によって、快感を得るとの人間的歴史が――』
孝太郎・『そんなものはないっ! ないと思いたい!』
 
 
人美・『ま、孝太郎君の儚い夢には興味が無いので、コレで自己分析は終了。』
 
 
悪魔・『待て待て待て! 
    折角の機会なんだから、俺にも是非、自己分析をしてくれよ。』
 
 
孝太郎・『やだ。だってオチが見え見えじゃん。』
 
 
悪魔・『ガキが何を言う。
    何事も、聞いて見なければわからんぞよ。』
 
 
人美・『絶対分かると思う。99.9%の精度で。』
 
 
悪魔・『そんなこといわずに頼むぅ、聞いてくれぇぇ!』
 
 
恵純・『‥‥致し方ありませんね。
    では、悪魔さん――
    貴方の長所と短所、若しくはそれに付随する傾向はなんですか?』
 
 
悪魔・『好きなもの――女。嫌いなもの――男。以上。』
 
 
孝太郎・『・・・・・・』
恵純・『・・・・・・』
 
 
人美・『ほらね。』
 
 
雫・『このボケナス。』
二階堂・『お前の頭は24時間ピンク色かっ!』
 
 
悪魔・『何を云う。脳みそとは、そういう色なのだぞ。』
 
 
人美・『じゃ、ここでブチ撒けて確認してみる?』
 
 
悪魔・『ウソですごめんなさいもう喋りません。』
 
 
孝太郎・『ところで、コレがなんの役に立つの?』
 
 
人美・『それを解説する前に、恵純さんの自己分析も必要。』
 
 
恵純・『わわ、私ですか?』
 
 
人美・『そ。いいからやって見て。』
 
 
恵純・『‥‥分かりました。受けましょう。』
 
 
二階堂・『では、自分の長所と短所を述べてみよ。』
 
 
恵純・『私は、人と接し、人に幸せを与えられるもの。
    そして、自分を磨けるものに強い魅力を感じますから、
    それを進んで行なえるところが、長所だと考えています。』
 
 
二階堂・『‥‥少し、模範解答過ぎないかね?』
 
 
恵純・『何故ですか? ごく一般的な認識だと考えますが。』
 
 
二階堂・『むうっ。』
 
 
人美・『じゃ、短所は?』
 
 
恵純・『そうですね。
     私は、人の弱みに付け込むような人は好きになれません。
     責任感に欠ける方も同じです。
     その人達を受け入れられない事が、短所と言えば短所でしょうか。』
 
 
雫・『ふ~ん。
   でも、弱っている人を助ける行為も、"人の弱みに付け込む行為"に当たるんじゃないの?』
 
 
恵純・『いえいえ。付け込むのではなく、迷惑にならない範囲での協力。
    ただ、それだけのことですよ。
    悪意や他意は、全くありませんので。』
 
 
悪魔・『なんかうそ臭いぞ。
    だいたい、世の中には「助けるのは当然のことでしょ、このバカ!」とか云われて。
    感謝されるどころか、貶されている人が沢山要るぞ。』
 
 
孝太郎・『ああ、悪魔さんはよく非難してるもんね。』
 
 
悪魔・『そうs――ってちっがーう! 俺がいいたいのはそういうことじゃねえ。』
 
 
恵純・『‥‥まあ、気持ちは分からなくはありませんが、それでもいいと思いますよ。』
 
 
二階堂・『‥‥何故だね?』
 
 
恵純・『だって私は、
    その人を助けたいから"行動した"――もしくはそう思ったのです。
    別に、その人に感謝されるために行動したわけではありません。』
 
 
雫・『でもさ、なんかムカつくじゃない? ほら、殺したくなったりとか。』
 
 
孝太郎・『さらっと殺人幇助しちゃらめぇぇぇ!』
 
 
人美・『みんなの暴走が止まらない。』
 
 
恵純・『いいえ。
    それに、一番求めていた結果が出るならば――私がどう思われるかなど、些細な問題ですよ。』
 
 
悪魔・『ぶ~ぶ~。』
雫・『ぶ~ぶ~。』
 
 
二階堂・『偽善者反対っ!』
 
 
雫・『そうよ。偽善は世を腐らせるわ。
   正直に欲望を吐き出した方が、楽になるし、人間として正しいのよ!』
 
 
悪魔・『そうだそうだ。
    だいたい、そんな人間が存在してたまるかいっ!』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥みんな、自分のアイデンティティを守るのに必死だなぁ。』
 
 
人美・『一度それを認めてしまえば、存在意義とか大義名分が吹っ飛ぶから。』
 
 
恵純・『なるほど。得てして妙ですね。』
 
 
孝太郎・『どゆこと?』
 
 
人美・『そうね、例えば――
    自分は罪を犯しても許される。何故ならば――他人だってそうだから、と。』
 
 
恵純・『逆に、良い人間がいることを認めてしまえば、
    今まで犯した罪は全て自分の所為になってしまう。それが耐えられないのでしょう。』 
 
 
孝太郎・『なるほどね。』
 
 
悪魔・『納得すんなよ!』
雫・『人美だって似たようなもんでしょうが!』
 
 
孝太郎・『でもさ、そうなってくるとさ。
      この自己分析はどうなっちゃうのかな?』
 
 
人美・『それは多分、ダメってことだと思う。
    やる前から結果は見え見えだったけど。』
 
 
恵純・『なるほど。
    そういえば、そもそも、なぜ人は自己分析をするのですか?』
 
 
人美・『必要だから。』
 
 
孝太郎・『‥‥も少し具体的には?』
 
 
人美・『子供に自己分析は必要ないけど、大人になれば必要とされる。』
 
 
悪魔・『だから何で必要なんだ?』
 
 
人美・『そうね。例えば、面接活動に必要なのはいうまでもないけど。
    それ以前に――
    大人になれば、自己を押し殺していかなきゃいけない場面が沢山ある。』
 
 
雫・『そりゃあそうでしょう。でもそれが世の中ってもんでしょ?』
 
 
人美・『そう。でも、それが苦痛であることは何ら変わりない。』
 
 
雫・『‥‥』
 
 
人美・『苦痛であることに代わりが無いって事は――
    自己を押し殺し続けると、だんだん自己がわからなくなってくる。
    そして、次第に自己を抑えきれなくなってくるの。』
 
 
雫・『抑えきれなくなる? 
   狼男に変身するみたく、本性を爆発させるってことかしら?』
 
 
人美・『そのケースもあるけど、大半は理性と本能がぶつかり合って、砕け散るのが通例。』
 
 
孝太郎・『なんか、怖い話だね。』
 
 
恵純・『それに自己が自己を破壊する――ですか。悲しい話です。』
 
 
人美・『そうね。でも現実はもっと残酷。
    最終的には自分が何を望んで、願って、何を嫌うのか。
    そもそも、自分って何なのかさえも、見失っていく。』
 
 
二階堂・『ふむっ。何処か哲学的だな。』
 
 
人美・『ある意味ね。でも、これはもっと現実的な話。』
 
 
悪魔・『現実か。でも、コレと自己分析がどうつながるんだ?』
 
人美・『自己分析は、そんな現状のよく分からない、行き詰まり感を明確にして。
    目的は違えど――笑って生きるための手段の一つ。それが自己分析。』
 
 
悪魔・『ふーーん。』
 
 
人美・『特に面接や、自分に迷ったときは効果的。自分を変えていくことにもすごく有効。』
 
 
孝太郎・『でもさ、ここまで俺ら以外の人に自己分析してもらったわけじゃん。』
 
 
人美・『ええ。』
 
 
孝太郎・『効果あったかな?』
 
 
人美・『ないと思う。』
 
 
恵純・『‥‥それは良くない事なのでは?』
 
 
二階堂・『いやむしろ、良い事なのだよ、恵純君。』
 
 
恵純・『‥‥ハイ?』
 
 
悪魔・『そうだっ。自己分析ごときで、本当の俺が理解されてたまるかいっ!』
 
 
雫・『それに、そんなもんで変われるなら、とっくに変わってるわよ!』
 
 
孝太郎・『‥‥それは確かにそのとおり思うけど、
      対象となる本人が胸を張って堂々と言わないでよ‥‥』
 
 
人美・『それに、そのとおりだからこそ救いが無い。
    あと致命的なのが、本人に変わる気が全くない、という点。』
 
 
恵純・『確かに、
    本人が何かを犠牲にしても変わることを望まなければ、無理な話、でしょうね。』
 
 
人美・『ええ。だからこそ逆の発想で――
    そろそろ無理やりボカッと自己破綻させちゃってもいいカナと思う。』
 
 
二階堂・『えええええっ!?』
悪魔・『えええええっ!?』
 
 
雫・『そ、それは自己破産ではなくて?』
 
 
人美・『そっ。自己破綻。
    自己破産は自分の財産がなくなる事だけど。自己破綻は本人が壊れて無くなっちゃう事。』
 
 
悪魔・『・・・ん~と、亡くなっちゃうって事はどゆことなんだ?』
 
 
人美・『死ぬほど痛いと思うけど、来世で頑張ってね♪』
 
 
二階堂・『はうあっ!?
      それは死ぬほど痛いのではなく、痛くて死ぬの間違いだろうっ!』
 
 
人美・『そういう説もある。
    でももしかしたら、痛みを感じる前にポックリと――』
 
 
雫・『どっちだって一緒でしょ!
   そもそもこれは、悪魔と零次のせいなんだから、私は関係ないわ。』
 
 
二階堂・『なんと無礼な! だいたい、お前が小学生のような回答をd――』
 
 
悪魔・『チョットまてっ! 
    たった今、すんごい良いアイディアを思いついたぞい。』
 
 
雫・『‥‥‥‥なによ?』
 
 
悪魔・『俺以外を生け贄にして。自己の自己破綻だけを回避sずどぼっ!?
 
 
二階堂・『くたばれド外道がっ。』
雫・『こんな時にしょうもないボケをかますなぁぁ!』
 
 
人美・『じゃ、鈍器がいきまーす♪』
 
 
雫・『ちょ、まだ話h――』
 
 
人美・『えいっ、えいっ。』
 
 
二階堂・『ア゛ーーー!』
雫・『ア゛ーーー!』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥なんだかなぁ。』
 
 
恵純・『自己分析も、意外と難しいものですね。』
 
 
孝太郎・『ええっ!? 今日はそゆ話デスカッ!?
      自己分析とは何のつながりも無い、
      自己破綻とか鈍器っていうフレーズが飛び交ってましたけど?』
 
 
人美・『それはきっと気のせい。
    それに、結果的に自己分析の話が出来たから、その辺は良しとする。』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥』
 
恵純・『しかし、彼らを見て思ったのですが‥‥
    認めたくない、受け入れたくない自己を受け入れてから、全てが始まるというのは、
    人類共通の真理とはいえ、なんとも残酷な話です。』
 
 
人美・『そうね。
    そもそも、マトモな自己分析が出来るなら、もっと真人間になってるだろうしね。クスクスッ。』
 
 
孝太郎・『‥‥いいのかなぁ、こんな締め方で‥‥』
 

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ウサギとカメ

 
『     もしもし 亀よ 亀さんよ     
           世界のうちに お前ほど 
                 歩みのノロい ものはない    
                        どうして そんなに ノロいのか      』
                               ‥‥‥‥童話「兎と亀」より‥‥‥‥ 
 
 
【登場人物】
守護 恵純‥‥‥‥亀。
二階堂 零次‥‥‥兎。
 
小神 凛‥‥‥‥‥女性。
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
榊 神間‥‥‥‥‥男性。大学院生。
幼井 奈々子‥‥‥女性。小学生。
 
 
 
凛・『さーてさて。今日はウサギとカメの話だ。』
 
 
奈々子・『わーい。』
 
 
孝太郎・『ウサギと亀って‥‥
      またずいぶんと、ベターで定番なものを持ってくるんだね。』
 
 
人美・『ま、その分わかりやすくはある。』
 
 
神間・『同感や。卑怯もんのカメ話は、えらい理解しやすいで。』
 
 
孝太郎・『‥‥卑怯者って、アンタがいうなよ。』
 
 
神間・『せやけど、孝太郎も卑怯やと思わへんか?
     なんつったって、ウサギとカメは、根本的に足の速さが違うナマモノ。
     おまけに相手が眠ったスキに追い抜かすなど、やることエグイと思うんやけど。』
 
 
孝太郎・『え、ええっとぉ、
      個人的には、ウサギも同じぐらいセコイ事してると思うんだけど。』
 
 
人美・『それに童話にリアリティを求めるなんて、面白くない人。』
 
 
凛・『おらっ、ごちゃごちゃいってないで。始めるぞ!』
 
 
神間・『‥‥‥ま、ええやろ。
    解釈は人それぞれや。納得できれば、なんでもええ。』
 
 
孝太郎・『‥‥素直じゃないなぁ‥‥』
 
 
人美・『では、本編をどうぞ。』
 
 
__________________________________________
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふははははっ!
           何を隠そうこの私は、世界で一番足の速いウサギだぁぁぁ!』
 
 
恵純(カメ)・『おやおや。
        確かに、素晴らしい足をお持ちなようですね。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『そうだろそうだろ。もっと褒めたまえ。』
 
 
恵純(カメ)・『ですが、総合的に見れば、私のほうが早いですよ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『‥‥‥‥ふっ。何を言い出すのかと思えば。
            そんなでかい甲羅を背負った、カメごときが何を言うかね。』
 
 
恵純(カメ)・『では、勝負しましょうか。その"ごとき"と?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『だが断るっ!
                      結果は見えているからな。時間の無駄だ。』
 
 
恵純(カメ)・『おや、負けるのが怖いのですか?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『・・・・・・』
 
 
恵純(カメ)・『怖いのですね。では、仕方があr―』
 
二階堂(ウサギ)・『いいだろう。そこまでいうならその勝負、受けて立つ!』
 
 
恵純(カメ)・『ふふっ。とても楽しみですよ。
        ところで、競争のルールはいかが致しましょうか?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『うむ。開始は翌日。ゴールは向こうにある山の頂上までだ。』
 
 
恵純(カメ)・『他には?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『無い。
           厳密に言えば、頂上にある"悪魔フラッグを殺ったほうが勝ち"ということだ。』
 
 
恵純(カメ)・『なるほど。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『なるほど、ぢゃねぇよ!
          なぜ俺がフラッグ扱いで、ヤられ役なのだ! 展開が強引過ぎだろ!』
 
 
恵純(カメ)・『‥‥何か今、声が聞こえませんでしたか?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なにをいうかね。ここには我々以外には、フラッグしか存在しない。
           フラッグは喋らない! すなわち、それは幻聴と認定しようではないか。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『勝手に認定すなぁぁぁ!』
 
 
恵純(カメ)・『では、勝負は翌日ということで。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『うむ。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『ああああ。何故にいつもこうなるのよぉぉぉ~~』
 
 
__________________________________________
 
 
凛・『こうして、ウサギとカメは競争することになったんだ。』
 
 
奈々子・『ふんふん。』 
 
 
孝太郎・『‥‥それにしてもさぁ。
      見事なまでのかませ犬と、ヤられ役だよなぁ。』
 
 
神間・『適材適所っつうことやな。』
 
 
人美・『あと自業自得も。』
 
 
奈々子・『ねぇねぇ。それでどうなったの?』
 
 
凛・『ああ、話は翌日。レース開始するところからだ。』
 
 
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二階堂(ウサギ)・『ふはははっ。
           良くぞ怖気付かずに来たものだ。そこだけは褒めてやろう。』
 
 
恵純(カメ)・『それはどうも。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『しかぁしこの勝負、私の勝ちは揺るがないぞ。』
 
 
恵純(カメ)・『‥‥何事も、そう思い通りにはいかないものですよ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふっ。それはこちらの台詞だ。
           何事も、原作どおりにはいかないものなのだよ。』
 
 
恵純(カメ)・『と、いいますと?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『今日は一切手を抜かぬ。最初からフルスロットルでいく。
           もちろん途中で休憩や昼寝などは、一切挟まないから、妙な期待はしないことだ。』
 
 
恵純(カメ)・『おやおや、ずいぶんと大人気無いですね。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふっ、何とでも言いたまえ。
           獅子は兎を狩るにも、全力を尽くすものなのだ。』
 
 
恵純(カメ)・『‥‥とはいえ、今の貴方は狩られる側。
        見た目も中身も、立派なウサギちゃんですよ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ちゃん付けで呼ぶなぁぁ!』
 
 
恵純(カメ)・『失礼。では、零次ちゃんと。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なお悪いわっ!!』
 
 
恵純(カメ)・『ま、無駄話はこの辺にして――早速始めましょうか。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『うむ。ではいくぞ。
           サン・二・イチ・・・・・・・スタートぉぉ!』
 
 
恵純(カメ)・『えいっえいっえいっ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なっはっはっはっ。何だねその歩き方は。
            遅すぎてアクビが出そうだよ。その程度で私に勝とうt――のわっ!?
 
 
恵純(カメ)・『ふっふっふっふ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なな、なぜここに落とし穴があるのd―ぎょえわっ!?
 
 
恵純(カメ)・『落とし穴に落として、刃物をけしかけるのは、罠の基本。
        気を抜くと、あっという間にソテーになりますよ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ここ、これは一体どういうことかね?』
 
 
恵純(カメ)・『罠です。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『見ればわかるわっ!
           そういうことでなく、何故こうなるのかと聞いている。』
 
 
恵純(カメ)・『だって、ルール無用なのでしょう。
        ゆえに、罠はそこらじゅうに仕掛けさせて頂きました。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『むうっ、なんと卑怯な。
           しかぁし、この程度で負ける私ではなぁぁい!』
 
 
恵純(カメ)・『おや、逞しいですね。自ら朽ち果てることを選択するとは。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『誰が朽ち果ててたまるかっ!
           それに、罠とは大抵、仕掛けられた跡というものがある。
            それを見分ければこの程度、どうということはn――どひょぉぉぉ!?
 
 
恵純(カメ)・『こうなると思って、地雷も用意しましたので。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ぬぬぬっ。』
 
 
恵純(カメ)・『因みに、今夜の私の食事はウサギの丸焼きです。とても楽しみですよ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なな、ならばっ! 私も容赦せんぞ!』
 
 
恵純(カメ)・『がぼっ! なな、なにをするのですか?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『五月蝿い。目には目を、歯には歯をだ。』
 
 
恵純(カメ)・『ひ、卑怯な。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『なんとでも。
           それに、今夜は急にスッポン鍋が食べたくなったのだから、仕方あるまい。』
 
 
恵純(カメ)・『・・・私はスッポンではなく、カメですが・・・』
 
 
二階堂(ウサギ)・『煮て焼いてしまえば、同じこと。』
 
 
恵純(カメ)・『――いいでしょう。ならば、私の実力を知っていただきましょう。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『それはこちらも望むところ。血祭りにあげてくれようぞ。』
 
_________________________________________
 
 
凛・『こうして、ウサギと亀の競争は場外乱闘に発展したわけだ。』
 
 
奈々子・『スッポン鍋にウサギ肉って、おいしそう♪』
 
 
孝太郎・『‥‥あのさ、一言いってもいいかな?』
 
 
凛・『ん? なんだ孝太郎?』
 
 
孝太郎・『もうぜんぜん競争じゃないじゃん!
      原作とは180℃違った方向に向かってるじゃん!』
 
 
神間・『そない目くじら立てんでもええやんか。ワイはアリやと思うで。』
 
 
孝太郎・『どうしてさ?』
 
 
神間・『それはモチロン、普通じゃありえへん所が、新鮮やからな。』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥いやそりゃ、確かにそうだけどさぁ。
      普通の人は、そゆところに新鮮さを求めないと思うよ。』
 
 
奈々子・『え~~。こんなに新鮮で美味しいのに。』
 
 
孝太郎・『いやだからそうじゃなk――って、食べるんかいっ!?』
 
 
凛・『だってこの鍋、結構イケルぞ。』
 
 
人美・『‥‥なるほど。そこそこの味ではある。
    ウサギの肉が柔らかくてとろけるようで、スッポンのダシもよく効いてる。』
 
 
神間・『やっぱ皆で囲む鍋はたまらんよなぁ。
    ほらほら、孝太郎も早くせんと、あんさんの分が無くなってまうでぇ。』
 
 
孝太郎・『あんな話の後に食べたくないよ! それより、続きはドコにいったんだよ!』
 
 
凛・『ん? そうそう、続きな。
   まあ、そんなこんなで二人は頂上付近までたどり着いたわけだ。』
 
 
___________________________________________
 
 
二階堂(ウサギ)・『はあっはあっはあっ。』
 
恵純(カメ)・『はあっはあっはあっ。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『‥‥ところで。なぜ我々はこのような争いをせねばならぬのだ?』
 
 
恵純(カメ)・『言われてみれば、元はただの競争だったような‥‥』
 
 
二階堂(ウサギ)・『そう、競争だ。
           しかし、いつの間にやらアニマルデスマッチに。』
 
 
恵純(カメ)・『ここは一つ、仲良く引き分けということにしては?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふむっ、致し方あるまい。
           ところで、そろそろお腹が空いたと思わないかね?』
 
 
恵純(カメ)・『同感です。ですが、食料がありません。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふっ、君の目は節穴かね?
           今我々の目の前にあるこのフラッグ、実は貴重な非常食なのだよ。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『ちょっと待てぇぇぇ! 何か会話がおかしいぞっ!』
 
 
二階堂(ウサギ)・『殴られ役の貴様がソレを言うかね。
           だいたいここでは、理不尽は日常茶飯事。いつものことではないかね?』
 
 
悪魔(フラッグ)・『仮にそうでも、良し悪しは別問題ぢゃぁぁぁ!』
 
 
恵純(カメ)・『ですが、そろそろフラッグさんにも活躍して頂かないと。』
           
 
悪魔(フラッグ)・『活躍っておまえぇぇ!
          俺が活躍するには、喰われることが前提ですかっ! 殺られるが前提デスカッ!?』
 
 
二階堂(ウサギ)・『ふっ、安心したまえ。
           キミのヒトデのような生命力には、定評があるだろう。
           即ち! どうせ死なないのだから、煮て食おうが焼いて食おうがよしっ。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『よしっ、ぢゃねぇよ!
          だいたい、俺を食べようとするところが根本的に間違っt――』
 
 
恵純(カメ)・『では、今夜は闇鍋ですね。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『うむ。
           ‥‥実はちょっと危険な気もしているが、背に腹は変えられぬ。』
 
 
恵純(カメ)・『なるほど。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『なるほどチガウッ!
           ってか、素で止めてくれませんかね、いやマジに。』
 
 
二階堂(ウサギ)・『さあ、パーティーの始まりだ。』
 
 
恵純(カメ)・『はい、ウサギちゃん。』
 
 
悪魔(フラッグ)・『ちょ、いや、ア゛ーーー!
 
 
___________________________________________
 
 
凛・『こうして、お腹いっぱいになったカメとウサギは手を取り合い。
   お互いの家に帰っていったとさ。』 
 
 
奈々子・『ちゃんちゃん。』
 
 
孝太郎・『・・・・・・』
人美・『・・・・・・・』
神間・『・・・・・・』
 
 
凛・『な、結構いい話だったろ?』
  
 
孝太郎・『何処がだよ!
      だいたいこの話じゃ、何が言いたいのか、わかんないじゃん。』
 
 
凛・『そうか? 皆はわかってるみたいだぞ。』
 
 
神間・『無論や。
     即ち、不毛な争いは必ず天罰が下るちゅう、ありがた~い信仰のことや。』
 
 
孝太郎・『信仰って・・・
      いやまぁ確かに、それッポイものは否定できないけど。』
 
 
人美・『登場人物の、頭の弱さが伝わった。』
 
 
孝太郎・『あ~~。
      でもさ、本当に伝えたいのはそうじゃないじゃん。ナコちゃんなら分かるよね?』
 
 
奈々子・『うん♪ ウサギさんとカメさんは仲良しさん♪』
 
 
孝太郎・『だーー、ちがぁぁう!』
 
 
奈々子・『ふ、ふえぇぇ!?』
 
 
凛・『おまえ、さっきっから一人でなに悶えてるんだ?』
 
 
孝太郎・『悶えたくもなるよ! だってこの話は本当は――
      実力におごってサボる人より、コツコツ努力をした人のほうが良いんだよって話じゃん。』
 
 
人美・『確かに、そゆ説もある。
    現実においては、マイノリティーだけどね。クスクスッ。』
 
 
孝太郎・『いやいや、絶対にマジョリティーだから!
      それを挙句の果てに、こんな人喰い話にして。あんまりじゃん。』
 
 
凛・『人喰い話か。
   そいえば、物語中にはデカイ門も、髪を抜く男も、女さえ出てこなかったな。』
 
 
孝太郎・『や~め~れ~! その発言は危険過ぎだからっ!』
 
 
凛・『ま、細かいことは気にすんなよ。』
 
 
神間・『せやせや。だいたい、そないなこと気にしとったら、
    アリとキリギリスは何で「キリギリス」で、「コオロギ」やないんやろなぁ、とか。
     「アリ」じゃなくて、「ハチ」でもええんちゃうかとか。いっこうにキリがないやん。』
 
 
凛・『へえっ、たまには神間も言いこというじゃん。
   ‥‥となれば、次はアリとキリギリスの話でもしとくか。』
 
 
奈々子・『じゃあじゃあ、配役は誰がやるの?』
 
 
人美・『そうね。とりあえず‥‥アリ孝太郎はガチ。』
 
 
孝太郎・『やだぁぁぁ!
      そんな売れない芸人みたいなのは、絶対に嫌だぁぁぁ!』
 
 
人美・『クスクスッ。
    現実世界では、アリよりもキリギリスのほうが幸せになれて、
    カメよりもウサギのほうが楽しく生きていけるものね。』 
 
 
神間・『故にこそ、こういった非現実的な話が受けるんやろな。
    逆もまた真実なりって、ことわざにもあるやんか。』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥それはそれで、なんかヤダなぁ。』
 
 

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80000アクセス達成

 
「            地味に、ここの一言ネタを考えるのが面倒で大変だったりします。
     なによりも、本編見ずにココだけを見て、フェードアウトしていく方が多い気がして怖いn(ry     」
                                                     ‥‥管理人より‥‥
 
【登場人物】
小神 凛‥‥‥‥‥女性。
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
神無月 悪魔‥‥‥男性。
榊 神間‥‥‥‥‥男性。大学院生。
美玖‥‥‥‥‥‥・女性。
 
 
 
凛・『っつうわけで、今回は恒例のアクセス報告をしていくけどよ‥‥』
 
 
人美・『‥‥はぁ』
孝太郎・『‥‥あ~あ』
神間・『‥‥』
 
 
凛・『正直、ダルいよなぁ。』
 
 
神間・『あえて報告するような事とちゃうからな。』
 
 
人美・『オマケに毎回、楽屋的自虐ネタばかり。』
 
 
孝太郎・『そうそう。出る方の身になってくれってね。』
 
 
美玖・『何よ何よ。皆で暗い顔しちゃって。
    これも仕事のうちなんだから、割り切っていかなきゃダメじゃない。』
 
 
凛・『‥‥どこの社会人だよおまえは。』
 
 
悪魔・『そうだそうだ!
    大体、80000アクセスといっても、既に4000カウンターぐらいクルクルと回ってるんだぞ。
    ってことはもう、凛が女性らしくなるのと同じぐらい手遅れdぐおぉっ!?
 
 
凛・『俺をダシに使ってんじゃねえよ!』
 
 
神間・『せやけど、一理あるんちゃうかな。
    なんたって自虐ネタっつうのは、やってる本人はノリノリでも、
    周りは、凛はんの生活態度と同じぐらいドン引kくぎゃおっ!?
 
 
凛・『だから余計なお世話だボケ!』
 
 
美玖・『ま、その辺は嘆いても始まらないじゃない。
    ってなわけで、そろそろお約束の展開は終わりにさせて、本編に行きましょ。』
 
 
人美・『そうね。』
 
 
孝太郎・『それにしても、今日はやけに張り切ってるんだね、美玖さん。』
 
 
人美・『それはきっと、最近出番がない為だと思う。』
 
 
美玖・『こら、人美! 余計なことを暴露しないでよ。』
 
 
神間・『ほうほう。オマケに名前も確定してないわけやし、道理で。』
 
 
悪魔・『どうりでって、何が道理なんだ?』
 
 
神間・『なんでも、ワイの聞いた話によると――
    今ある下書き20個のうち、美玖はんが登場する話は一つもないらしいで。』
 
 
悪魔・『それはそれは。
    キャラも碌に固まってないのに、見切り発車したせいじゃな。』
 
 
美玖・『ほほーうっ。中々いってくれるじゃない。
    でも、中身がエロ犬にKY教祖で凝り固まるよりはマシでしょ。』
 
 
悪魔・『ぬぬっ!?』
神間・『KYって、ワイが一番気にしとることをぉぉっ!』
 
 
孝太郎・『でもさ、確かに最近は更新頻度が下がってるよね?』
 
 
人美・『そうね。
     ソレに伴って、アクセスの勢いも下降傾向。‥‥クスクスッ。』
 
 
凛・『ま、まあアクセスについては触れねえが
   管理人もリアルに忙しいらしいから、しゃあねえだろ。』
 
 
美玖・『どうもそうらしいわね。
    でも、社会人なら無理矢理にでも時間をひねり出せって話でしょ。タダの言い訳よ。』
 
 
凛・『ところが、そうでもねえのさ。』
 
 
悪魔・『ほうほう、それは何故に?』
 
 
凛・『簡単に言っちまえば、残業に恵まれてるってことだな。』
 
 
孝太郎・『恵まれてるって、別に1・2時間ぐらい増えたって大丈夫なんじゃないの?』
 
 
人美・『そうね。その程度のレベルだったならば。』
 
 
神間・『‥‥具体的には、なんぼぐらい増えたんや?』
 
 
人美・『アバウトに、半月で85時間の残業。
    月に換算すれば、おおよそ160時間超ぐらいカナ。』
 
 
孝太郎・『多ッ!?』
悪魔・『多ッ!?』
神間・『多ッ!?』
 
 
凛・『だろ。おまけに、家に着くのは丑三つ時。休日もデフォルト出勤。
   これじゃ、元気の出る要素がないよな。』
 
 
人美・『そうね。例えるまでも無く、いまや立派な会社の犬。』
 
 
美玖・『そう、そこが気に入らないのよ私はっ!』
 
 
孝太郎・『気に入らないって、生きる為にはしょうがないんじゃないの?』
 
 
美玖・『それも限度によるでしょ。
    だいたい、一人前の大人なら、間違ったことは間違いだって言いなさいよ。
    変なもん前にぶら下げてるのは飾りなの!』
 
 
悪魔・『へ、変なものとは無礼な。
    これはジュニアで血と魂をわけた、いわば俺の分sぐおぉぉっ!?
 
 
凛・『聞かれてもいないことを語りだすなっ!』
 
 
美玖・『それに、私がいいたいのはコレだけじゃないのよ。』
 
 
人美・『‥‥マダ愚痴が言い足りないの?』
 
 
美玖・『そうね。愚痴ならまだ納得できたのだけれどね。』
 
 
神間・『‥‥どゆことや?』
 
 
美玖・『コレよコレ。このリンク先を見て御覧なさいよ。
    http://www.famitsu.com/game/coming/1213457_1407.html(ゲームの紹介ページへ飛びます)』
 
 
孝太郎・『へえっ。これって、やきゅつくのDS版が発売するってことだね。』
 
 
美玖・『そうよ。こんなものが発売されちゃ、
    ますます管理人の製作時間が無くなるじゃない。』
 
 
人美・『でも、落ち目のサ○のやることだから、地雷ゲーの可能性も低くないと思う。』
 
 
凛・『お、おまえ今さらっと、もの凄い発言を‥‥』
 
 
美玖・『仮にそうだとしても、よ。
    本人は既に予約する気満々らしくて、
    ファンなら、地雷も受け入れてなんぼとか、のたまってるらしいじゃない。』
 
 
悪魔・『あ~~』
 
 
神間・『真性のアホやな。』
 
 
凛・『頭のレベルが、悪魔と一緒だ。』
 
 
悪魔・『コラッ! さらっと俺を非難すなぁぁ!』
 
 
美玖・『まあ、そんなわけで。私は嘆くことしかりって感じなのよ。』
 
 
神間・『そういえば最近、業務中に更新してたのがバレたんやろ?』
 
 
凛・『ああ。そのあと、しっかりお説教を喰らったらしいぜ。』
 
 
孝太郎・『あ~~。
      いつかはそうなるだろうと思ってたけど、自業自得なだけに同情も出来ないよ。』
 
 
美玖・『でも、そのせいで、貴重な時間も減っちゃったのよ。
    だいたい、一ヶ月も記事を書かないなんて、ブロガーとして終わってるわよ。』
 
 
凛・『‥‥お前、そのセリフの意味、わかって言ってるのかヲイ。』
 
 
人美・『また見えない敵が増えたと思う。』
 
 
凛・『それに、プリプリしすぎだろ。』
 
 
美玖・『あら、ご挨拶ね。
    でもそのセリフは、自分の胸を眺めてから言ったらどうかしら?』
 
 
悪魔・『ふ~む。確かに、無駄にプリプリしtぎゃおっ!?
 
 
凛・『だれが眺めていいといったかっ!』
 
 
神間・『まあまあ。
    時間が経てばその胸もシワシワに萎れるやろから、気にすrりょぼぐっ!?
 
 
凛・『慰めになってねえよ!』
 
 
人美・『ところで、話は変わるけど。
    ここまでくると、そろそろカウンターも大台が見えてくる。』
 
 
美玖・『そうね。規模的には、あまり自慢にはならないでしょうけど。』
 
 
孝太郎・『大台、かぁ。なんかしみじみと来るものがあるね。』
 
 
悪魔・『おいおい、まだ気が早いだろ。
    それに、そうなった時は当然、なにかイベントでもするんだろう?』
 
 
美玖・『ああ、その発想は無かったわね。』
 
 
人美・『だいたい、ブログにイベントも何も無いと思う。』
 
 
悪魔・『何を言う! せっかくこう女性が沢山いるじゃないか。
    ココは一つ、女性限定野球拳大会でmもぐぉっ!?
 
 
凛・『お前の辞書には学習という文字が無いのかっ!』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥なんかさ。
      大台を迎えても、この人たちは絶対に変わらない気がする。』
 
 
人美・『そうね。
    変えるべき所を変えず、変えなくていい所を変えるなんて。
    世の中の摂理で、まさにこのサイトそのものだものね。クスクスッ。』
 
 
凛・『‥‥‥‥そのセリフを自覚してながら発言することこそ、どうかと思うがな。』
 
     

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無駄な時間の見方

 
「    漠然と思うのは、『強くなる過程を見ていないから』ではないかということ。
         その間の、俺の嘆きや悲しみは決して無駄な時間ではなかった。
           ずっとともに歩んできた今だからこそ、そう断言できる。         」
                                      ‥‥日本創作童話より‥‥
 
【登場人物】
小神 凛‥‥‥‥‥女性。
神無月 悪魔‥‥‥男性。
雫 天使‥‥‥‥‥女性。
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
榊 神間‥‥‥‥‥男性。大学院生。
幼井 奈々子‥‥‥女性。小学生。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
 
 
 
悪魔・『1+1は2♪ 2+2は4♪ あわせて楽しくポチポチッとな♪』
 
 
凛・『よう、悪魔。ずいぶんと上機嫌‥‥って、何してんだお前は?』
 
 
悪魔・『何って、出会い系でナニを探してる最中だが?』
 
 
雫・『‥‥‥‥ホンッと、懲りない男ねぇ。
   アンタが何処で美人局に会おうが知ったこっちゃ無いけど、何度痛い目を見たら気が済むのかしらね。』
 
 
悪魔・『うるへー。例え何度も失敗しても、
    そこに魅力とロマンがある限り、男は挑み続けなければならんのだ!』
 
 
人美・『どうせ成功しても、別れる事が前提なら、意味ないと思うけど。』
 
 
悪魔・『ふっ。そこは男と女の根本的な考え方の違いだな。
     寧ろ男は、ヤリ捨てる事が前提で付き合うk――ぐわっ!?』
 
 
凛・『笑顔で鬼畜論を語りだすなボケェ。』
 
 
孝太郎・『‥‥ところで、神間さんも何してるの? 
      なんか、変な本を読んでるみたいだけど。』
 
 
神間・『ああ、この本は「宗教と人間の歴史」っつう本でな。
     おろかな愚民どもの操り方のバイブル――つまりマニュアルみたいなもんやな。』
 
 
恵純・『‥‥まあ、捉え方は人それぞれですからね‥‥』
 
 
奈々子・『じゃあ、神間さんは人を操りたいの?』
 
 
神間・『モチのロンや。それにココで学んでおけば、
     いつかワイの乗っ取り秘密計画が成功し、こいつらもワイの思うがまm――ぐおっ!?』
 
 
凛・『計画するのは自由だが、すでに口からダダ漏れだぞ。』
 
 
人美・『それに、そんな小細工をせずとも。
     火力にモノを言わせれば、人間なんてちょろいと思うけど。‥‥クスクスッ。』
 
 
悪魔・『重火器で脅すのはヤメェェ!』
雫・『普通に笑えないわよそれはっ!』
 
 
恵純・『とまあ、皆さん色々あるようですが、
     無駄な前置きから始まる今回は、時間の使い方のお話です。』
 
 
孝太郎・『‥‥自覚してるなら止めればいいのに‥‥』
 
 
雫・『でも、上手く時間を使うのって、本当に難しいわよねぇ。』
 
 
孝太郎・『なんとなくテレビを付けたり、布団でウダウダするのって気持ちいいもんね。』
 
 
凛・『だいいちよ、上手く使えてるやつなんかいるのか?
   どうせ"言い訳"と"思い込み"で凝り固まってる奴なんだろうし、疑問だな。』
 
 
恵純・『確かに、無駄な時間の定義が様々な事もありますし、難しいところですが――』
 
 
神間・『せやけど、基本は"社会人として有益にならん事"が無駄とされてるんやろ?』
 
 
人美・『そう。そもそも、無駄な時間云々を説いている人は、
     得てして、社会人としての成功者ばかり。
     逆に成功していない人は、何を言っても説得力に欠ける、と世間は考えてる。』
 
 
奈々子・『社会人としてって、それは人生も成功してるんじゃないの?』
 
 
人美・『さあ‥‥。それは本人にしか分からないこと。
    仮に20年間会社に費やしても、倒産すれば一瞬で過去の時間が無駄になるし。
    家庭だって、本人は「俺は勝ち組なんじゃ!」とか言ったとしても、家庭に冷たい人なら、周りはどう思ってるのか‥‥』
 
 
凛・『しゅ、シュールすぎだろ。間違っちゃいねぇが。』
 
 
悪魔・『でも、別に深く考えることもないんじゃないのか?』
 
 
雫・『どうしてよ?』
 
悪魔・『だってよ。
    金が欲しい奴は、金になりそうなことに時間を費やす。
    女にもてたい奴は、女の為に時間を。趣味が命の奴は、趣味の為に時間を使えばいいだけのこと。
    他人が勝手に無駄とレッテルを貼った時間の使い方なぞ、俺には届かない!』
 
 
雫・『‥‥いやまあアンタはそうでしょうけども‥‥』
 
 
神間・『発言した本人が、無駄みたいなもんやからな。』
 
 
恵純・『とはいえ、ある意味真理をついているのが、怖いところです。』
 
 
孝太郎・『下手な鉄砲、数うちゃ当たる。』
 
 
悪魔・『ほっとけ!』
 
 
人美・『ま、このように話が拡散メガ粒子砲のように広がっていくと
     収拾がつかなくなるので、ここでは論点を一つに絞ります。』
 
 
凛・『‥‥当の昔に手遅れだと思うが‥‥』
 
 
恵純・『まあ、手遅れかどうかは別として。
     これから、一人ひとりの無駄な時間の洗い出しをしていきましょう。』
 
 
奈々子・『洗い出しって、何?』
 
 
恵純・『そうですね。例えば‥‥悪魔さん。』
 
 
悪魔・『なんじゃい、やぶからぼうに。』
 
 
人美・『貴方といる時間が無駄なので、死んで償ってください。』
 
 
悪魔・『ハナから極論を叩きつけるなぁ! そこはまず、
    「出会い系は無駄な時間なんですよ。だから私と付き合ってください♪」という所だろがっ!』
 
 
孝太郎・『一応、自覚はあるんだね。』
 
 
凛・『最後の台詞で、全部台無しだけどな。』
 
 
恵純・『では、次は私がお手本を示しましょう。‥‥神間さん。』
 
 
神間・『なんや? ワイの人生に無駄なぞ、これっぽっちもあらへんで。』
 
 
人美・『あのね、どうせどんな素晴らしい本を読んでも、
     完全に理解したり使ったりできないんだから、止めたほうが良いと思う。無駄な努力だから。』
 
 
神間・『ぬおっ!? ア、アンタは今人類の90%を敵に回したんやで!
    世の中の読書好きが、黙っとらんでぇ!』
 
 
雫・『でも確かに、何百冊読もうが、ダメな人は駄目よねぇ。』
 
 
奈々子・『あと、神間さんって二流ピエロの詐欺師が似合いそうだよね。』
 
 
神間・『ほあっ、ナコはんまでっ!? 
    キラキラした目でえげつないこと言われると、マジにへこむやんけっ。』
 
 
恵純・『さて次は‥‥凛さんと雫さんのお二人です。』
 
 
凛・『とうとう俺らかよ。』
 
雫・『わ、私はアンタ達には屈しないわよ。』
 
 
人美・『別に屈してくれなくてもいいけど――
     自分の部屋ぐらいは、きちんと片付けたほうが良いと思う。特に姉さんとかは。』
 
 
雫・『はんっ、片付ける時間こそ、人生の無駄遣いよ。』
 
 
凛・『それに、ど~せスグに散らかっちまうんだから、やらなくたって一緒だろ。』
 
 
孝太郎・『‥‥確かにそうだけどさ、汚い部屋に住むって、女性として駄目じゃん。』
 
 
凛・『ぬなっ!? そうきたかよ。』
 
 
雫・『べべ、別に良いじゃない。綺麗好きの旦那を貰えば済む話よ。』
 
 
奈々子・『でも、そんな素敵な人って身近にいるのかな?』
 
 
雫・『はうっ!?』
 
 
凛・『気合で見つけるんだよ。あとド根性とかで。』
 
 
人美・『でも、仮に見つかっても、相手にも選ぶ権利があるわけで――
    玉砕確定で、「興味ない」とか言われてポイっと捨てられるのがオチだと思う。』
 
 
凛・『むおおっ!?』
 
雫・『仮にそうでも、もちょっとオブラートに包んで言いなさいよ! 凹むでしょ!』
 
 
人美・『スグに溶け出すので、無駄だと思う。』
 
 
雫・『さもそれが正しいかの様に言うなぁぁ!』
 
 
恵純・『とまあ、意外なところにも無駄な時間は潜んでいるものです。
    皆さんもそれを忘れず、改善することが必要かと。』
 
 
神間・『ちょっとまちぃ! まだ3人ほど残っとるやんけー!』
 
 
恵純・『いえいえ、コレで全員ですよ。』
 
 
悪魔・『しれっと言うなぁ! お前自身の話も聞いとらんぞ!』
 
 
人美・『だって、ナコちゃんは人生で一番充実してるときで、何をやっても無駄な時間はない。
     孝太郎は発展途上だから、改善の余地がある。』
 
 
奈々子・『そうそう。』
孝太郎・『当然だね。』
 
 
雫・『生ヌルい事いってんじゃないわよっ!
   ってか、逆を言えば私たちには改善の余地がないって事?』
 
 
人美・『そういう説もある。』
 
 
神間・『なら最初からワイらを弄るなやぁぁ!』
 
 
凛・『じゃあよ、恵純はどうなんだ?』
 
 
人美・『‥‥‥‥』
 
 
恵純・『‥‥‥‥』
 
 
人美・『彼を弄っても、偽善者じみた答えしか返ってこなそうなので。』
 
 
恵純・『それに世の中、持ちつ持たれつなんですよ。』
 
 
凛・『お前が言っても説得力の欠片もねぇよ!』
 
 
奈々子・『ねえねえ、一ついってもいいかな?』
 
 
孝太郎・『うん。ナコちゃんどうしたの?』
 
 
奈々子・『あのね、ある読者さんから
      ここのブログを読む時間こそ、無駄なj――』
 
凛・『やめぇぇぇ!』
神間・『やめぇぇぇ!』
 
 
恵純・『どうやら、今回も見え見えのオチで終わるようですね。』
 
 
人美・『そうね。でも、これも進化するために、誰もが通る道だから。』
 
 
凛・『いや、この場合は絶対に違うと思うぞ俺は。』
 
 
孝太郎・『‥‥まあ、どんなこともなるようになるよね、きっと。』
 
 

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アバタとエクボの見方

 
「                恋は盲目とは、よく言ったものだ。
     誰でも恋をしているときは、相手に夢中で、冷静な判断力を失っている。    」
                                           ‥‥あるコトワザより‥‥
 
 
【登場人物】
雫 天使‥‥‥‥‥女性。
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
神無月 悪魔‥‥‥男性。
小神 凛‥‥‥‥‥女性。
榊 神間‥‥‥‥‥男性。大学院生。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
 
 
凛・『あ~~、何でお前を思うと胸が苦しいんだぁぁ~♪』
 
 
悪魔・『出来るなら、忘れてしまえるのならぁぁ~~
     でも、艶かしいシルエットが、網膜に焼き付いていて離れないのよ~~♪』
 
 
雫・『この胸を焦がすような、熱くて、甘美で、苦しい思い~~♪
   嗚呼、コレが恋なのかしらん~~~♪』
 
 
人美・『‥‥何処から突っ込めばいいのカナ‥‥』
 
 
神間・『‥‥ツッコミ満載どころか、突っ込むところしかあらへんからなぁ。』
 
 
孝太郎・『‥‥きっと、もう春だからね~。』
 
 
凛・『春って、今は冬だぞ。』
 
 
人美・『‥‥‥‥で、
    似た者トリオが漫才組んで。どこに人生棄ててきたのカナ?』
 
 
悪魔・『違うわいっ!』
雫・『違うわいっ!』
 
 
凛・『そもそもトリオも漫才も組んでねぇし、似た所なんてドコにもないだろ。』
 
 
人美・『う~んとね、頭より先に脊髄反射で動くとことか。』
 
 
神間・『あ~~』
孝太郎・『あ~~』
 
 
凛・『哀れむような声で納得するなぁぁ!』
 
 
神間・『しっかし、何が原因でそうなったんや?』
 
 
雫・『恋よ!』
 
 
神間・『コイ?』
 
 
悪魔・『そう。俺らは燃えるような恋に憬れているのだ。』
 
 
孝太郎・『‥‥春だからねぇ‥‥』
 
 
神間・『この際、季節は関係あらへんと思うが。』
 
 
人美・『それにコイが欲しいなら、その辺の池に泳いでいるのを釣ってかじってれば。』
 
 
悪魔・『そっちのコイはチガァァウ!
    俺が言いたいのは、人を愛し、人に愛されたいって事なのだ。』
 
 
人美・『‥‥まあ、願うだけなら自由だけど。
    それに貴方は過去に一度でも、人に好かれた経験があるの?』
 
 
悪魔・『‥‥‥‥しくしくしく。』
 
 
凛・『コラッ! 簡単に説得されんな。』
 
 
孝太郎・『でもさ、
      そんなにいうなら、誰かを好きになれば済む話じゃん。』
 
 
凛・『‥‥そうはいうけどよ。ここの登場メンバーの誰を好きになれと?』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥ないね。』
 
 
凛・『だろ。』
 
 
人美・『ま、天欄さんの例もあるけど。』
 
 
雫・『お姉様は特別な例よ。それに恋を待つなんて、私の性に合わないわ。』
 
 
孝太郎・『確かに、雫さんが待ってたら、一生恋とかなさそうだしね。』
 
 
雫・『んんっ!? 何が言いたいのかしら、子守ちゃ~ん?』
 
 
孝太郎・『いい、いえいえ何でも御座いませんですハイ。』
 
 
神間・『まあまあ、焦ったって何も始まらんで。
    クリスマスケーキが売れ残る年齢なのは同情するけど、もちっとれいs――がぐえっ!?』
 
 
凛・『余計なお世話だ!』
雫・『余計なお世話よ!』
 
 
孝太郎・『でもさ、「アバタもエクボ」ってコトワザもあるし。
      恋をしたいなら、まずは好きな人を作らないと始まらないと思うよ。』
 
 
凛・『ま、理屈じゃそうだな。
   でもよ、周りが見えなくなるぐらいのモノとなると、それは理屈じゃできないだろ?』
 
 
人美・『‥‥それならいっその事。
     幻覚が見る薬を10本ぐらい注射して、江○2:50がキム○クに見えるまでぶちゅーっと――』
 
 
雫・『その注射に耐え切る前に、ポテッと死んでしまうわっ!
   ってか、それは目が腐っただけであって、相手は全く変わってないでしょ。』
 
 
人美・『そうカナ? 現実的な案だと思うけど。』
 
 
雫・『だ~か~ら~、現実的過ぎて逆に引くわよ。
   仮にその薬で死ななかったとしても、
   あんなナマモノと"ぶちゅーっと"なんてやったら、それだけで死ねるわよ普通は。』
 
 
孝太郎・『ナマモノって、ヒドイ例えだ。』
 
 
悪魔・『ところでふと思ったんだが、何で恋をすると周りが見えなくなるんだ?』
 
 
雫・『アンタは"い・つ・も"見えてないでしょうがっ。』
 
 
悪魔・『ふっ。何せ俺のスカウターは特注品。
    見るべきものを映し、見たくない無駄を省くという優れものなのだよ。』
 
 
雫・『オノレは無駄に省き過ぎぢゃぁぁ!』
 
 
孝太郎・『でもさ、こういうのって心理学ではなんていうんだっけ?』
 
 
人美・『ハローエフェクト(光背効果)。周りが見えなくなる事を主に指して、そう呼ぶ。』
 
 
凛・『ハローエフェクト? よくわかんねぇけど。』
 
 
神間・『そう、例えばやな。
     太陽の方を向いて者を見ると、太陽が明るうて、物がよく見えなくなる事があるやん。
     あれがハローと呼ばれるものや。』
 
 
雫・『エフェクトは?』
 
 
孝太郎・『文字通り、効果ってことだと思うよ。』
 
 
雫・『ふーーん。』
 
 
人美・『ま、所詮恋なんて、勘違いと思い込みで起こるもの。』
 
 
凛・『‥‥ドライすぎだろ。』
 
 
人美・『その点は否定しない。でも、思い込みって結構大切だと思う。』
 
 
神間・『確かに歳を取ると、なかなか出来ひんようになるな。』
 
 
悪魔・『なるほど。
    俺がダメだと思い込んでいるヤツが多いのは、そのためか。』
 
雫・『最初についた偏見って怖いわよねぇ。
   この私の素晴らしさが、見えなくなるんだから。』
 
 
孝太郎・『あんたらは逆に"思い込み過ぎ"なんだよ!』
 
 
人美・『でも、これもハローエフェクトなのかも。』
 
 
凛・『何でだ? こいつらは誰にも恋はしてねぇだろ。』
 
 
人美・『自分で自分を愛してるトコとか。』
 
 
孝太郎・『あーー、ありそうだね。』
凛・『ナルちゃんが多いからなぁ。』
 
 
雫・『あるある、ぢゃないわよ! 私たちを無視して、勝手に盛り上がらないの!』
 
 
悪魔・『そうだ。この授業を学び、俺たちはトゥルーラブを掴むのだ。』
 
 
凛・『トゥルーっておまっ‥‥』
 
 
人美・『貴方の場合は、パブロフの犬。』
 
 
悪魔・『何故にっ!?』
 
 
孝太郎・『脊髄で女性に欲情するとことか。』
 
 
悪魔・『チガウッ! 俺だって好みはあるぞ。』
 
 
雫・『でも今じゃ、パブロフの犬というより、ただの犬。』
 
 
人美・『でもって、負け犬の野良犬。』
 
 
悪魔・『‥‥しくしくしく。』
 
 
凛・『でも、それをいうなら榊はどうなるんだ?』
 
 
神間・『なぜワイを巻き込むっ!?』
 
 
孝太郎・『うーーん。猫に小判とか。』
 
 
人美・『馬の耳に念仏。』
 
 
凛・『寝耳に水とか。』
 
 
神間・『最後のは意味すら異なるやんけっ!』
 
 
雫・『あれ? 違ったっけ?』
 
 
人美・『姉さんの例えは、馬鹿は死んでも馬鹿。』
 
 
孝太郎・『後の祭り。』
 
 
凛・『後悔先に立たず、とかな。』
 
 
雫・『みんなで上手いこと言ってんぢゃないわよっ!』
 
 
孝太郎・『‥‥それにしても
      早くみんな、アバタとエクボの区別が付く日が来るようになればいいのにね。』
 
 
人美・『そんな日が本当に来ればいいけど。』
 
 
悪魔・『確かに、既に手遅れな人が三名ほど――』
 
 
凛・『お前がいうなぁぁ!』
 
雫・『お前がいうなぁぁ!』
神間・『死にさらせぇ!』
 
 
悪魔・『のひょーーー。』
 
 
孝太郎・『‥‥そ言えば結局、「アバタもエクボ」って
      "悪いものでも良く見える"って意味だけど、そもそも"痘痕"と"笑窪"。
      どっちの方が良いのかな?』
 
 
凛・『そりゃエクボだろ。笑った顔のほうが美人に見えるってな。』
 
 
人美・『じゃ、笑い方が気持ち悪い人は? 世の中にはたくさんいるけど。』
 
凛・『‥‥‥‥』
 
 
人美・『そもそもアバタとエクボなんて、見分けがつかなくて当然なのかもね。
    アバタに見えようが、エクボに見えようが、見た目にたいした変化はないと思うし。』
 
 
凛・『‥‥そりゃそうかもしれねえが、そんな締め方でいいのかよ?』
 
 
人美・『私は良いと思うけど。そこまでいうなら、アバタ系もあるけど。』
 
 
神間・『‥‥その人美はんがいうアバタ系って、どっかのパワプrりゅっ!?』
 
 
凛・『五月蝿いぞ。』 
 
 
人美・『‥‥では。
    世間で言う、アバタとエクボ。いわゆる良いものと悪いもの。』
 
孝太郎・『ほうほう。』
 
 
人美・『それを見間違うことがあるのは良いとしても。
    じゃあ――
    間違ったのは、見る側なのカナ。見られる側なのカナ?』
 
 
雫・『‥‥それって、世間が痘痕だと思ってたものは、実はエクボだったってことかしら?』
 
 
人美・『さあ。その逆もあるだろうし。
    どのみち、どっちを選んでもたいした違いは無いんだから、
    良いものだと強く思い込んだほうが勝ちで、見間違ったことをウジウジいう人は負け。
    ってのはどうカナ?』
 
 
神間・『‥‥』
凛・『‥‥』
 
 
雫・『絶対ダメよ。』
 
 
人美・『そう、残念。』
 
 
孝太郎・『‥‥‥‥なんか最近、オチのない話が増えた気がする。』
 
 

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国民性の見方

「   国民性とは、その国の歴史や風土に起因し、民族共通に見られると考えられる気質である。   」
                                              ……Wikipedia・「国民性」より……
 
 
【登場人物】
雫 人美‥‥‥‥‥女性。高校生。
雫 天使‥‥‥‥‥女性。
子守 孝太郎‥‥‥男性。中学生。
守護 恵純‥‥‥‥男性。高校生。
小神 凛‥‥‥‥‥女性。
幼井 奈々子‥‥‥女性。小学生。
榊 神間‥‥‥‥‥男性。大学院生。
二階堂 零次‥‥‥男性。
神無月 悪魔‥‥‥男性。
早乙女 天欄‥‥‥女性。
 
 
人美・『‥‥というわけで本日は、船を貸しきって、海の上に出てきたけど‥‥』
 
 
奈々子・『わ~い、海だ海だ~♪』
 
 
孝太郎・『おっさかな♪ おっさかな♪ さっかな釣り~♪』
 
 
天欄・『やはり海といえば、優雅にバカンスですわね。』
 
 
雫・『ホントよねぇ。
   それにこうやって浴びる太陽の、気持ち良いこと。』
 
 
二階堂・『しかし、この透き通った海。青い空。
      普段の疲れを癒す、澄み切った波音、素晴らしいと思わんかね?』
 
 
神間・『同感や。それにこのノンビリ感、たまらんなぁ。』
 
 
凛・『よっしゃぁぁ! 海といえばスキューバダイビング。行くぞ、悪魔!』
 
 
悪魔・『どざえもんはやだぁぁ。一人で行っててくれよ。』
 
 
恵純・『‥‥皆さん、バカンスを満喫中で、
    こちらの話をこれっぽっちも聞いていませんね。』
 
 
人美・『ま、これから別のものを、骨の髄まで堪能させるから、構わないけど。』
 
 
恵純・『‥‥‥‥今日はどんな撲殺プレイをされるおつもりで?』
 
 
人美・『さあ。しいて挙げれば、国民性体験プレイとか。』
 
 
恵純・『‥‥その内容を聞くのが、非常に恐ろしいところですが。
    では、本日は国民性の見方です。』
 
 
人美・『さてと、じゃあさっそく姉さんに、一つ言いたいことがあるの。』
 
 
雫・『何よ。人がくつろいでるのに、やぶからぼうね。』
 
 
人美・『現在、海には美味しそうな魚が泳いでいます。飛び込んでください。』
 
 
雫・『意味がさっぱり分かんないわよ!』
 
 
孝太郎・『んじゃ、雫さん。俺の分の魚もよろしく~~』
 
 
雫・『ふざけんじゃないわよ! 
   魚が泳いでたら飛び込まなくちゃならないなんて、聞いたこと無いわよ!』
 
 
悪魔・『それはアレだろ。例えて言うなら、人面魚のさgぐおおっ!?』
 
 
雫・『せめてマーメイドって言いなさいよっ!』
 
 
神間・『ま、あんさんが爬虫類でも哺乳類でかまわへん。
    いっぺん飛び込めば、面白い話のネタになって美味しいやん。』
 
雫・『じゃあ今すぐアンタを餌にして、シャークハントを始めましょうかぁぁ!!』
 
 
 
人美・『‥‥往生際が悪い人。』
 
 
雫・『そもそも私に往生を求めてんじゃないわよ!』
 
 
人美・『‥‥じゃ、予定を変更して。奈々子ちゃん、これな~んだ。』
 
 
奈々子・『ああっ! チョコレートね♪』
 
 
人美・『貴方にプレゼントするから、取って来てね。 えいっ!』
 
 
奈々子・『わ~い、チョコレートチョコレート♪』
 
 
孝太郎・『おいおいっ、そっちは海g‥‥』
 
 
ドッボーン
 
 
凛・『のわっ、なんつうことを。』
 
 
奈々子・『うわっ、誰か助けて~~~』
 
 
恵純・『これは何のマネですか?』
 
 
人美・『実験。』
 
 
二階堂・『実験だと? 卑しくも子供にまで手を出し始めるのかねっ。
      この冷血非道な魔女に代わって、今すぐ私が助けに行くぞ。とうっ!!
 
 
ドッボーン
 
 
悪魔・『おぉ、飛び込んだぞ。』
 
 
天欄・『ホント、単純な人ですねえ。』
 
 
神間・『ヒーローに憧れる年頃なんやろ。』
 
 
孝太郎・『‥‥そゆ問題なのかなぁ‥‥』
 
 
二階堂・『ふはははっ、安心したまえ。今助けn―あ、あれ。
      奈々子クンは何処へ行ったのだ!?』
 
 
奈々子・『ここ、ここ。船の上だよ。』
 
 
人美・『実は命綱付きでダイブさせたので、助けるのが容易だったりします。』
 
 
二階堂・『ぬおっ。コレは一体どいうことかね?』
 
 
悪魔・『おっ、ビックウェーブだ。』
 
 
二階堂・『そう! 私は今、ビックに怒っていt…なんでずどばぼぼっ
 
 
雫・『あ、流された。』
 
 
凛・『ウルルン漂流記だな。』
 
 
孝太郎・『ウルルンって、本人がうるうる漂流ってことデスカッ!?』
 
 
人美・『じゃ次。恵純さん、海に飛び込みましょう。』
 
 
恵純・『早くもボクですかっ! 飛び込む意味が分かりませんよ。』
 
 
雫・『ほら、さっきチーフが流されていったじゃない。』
 
 
神間・『紳士はこういうときにこそ、飛び込むもんやで。』
 
 
恵純・『‥‥‥‥』
 
 
奈々子・『いってらっしゃ~い♪』
 
 
恵純・『‥‥むむ、むひょおぉぉおっ。』
 
 
ドッボーン
 
 
凛・『達者でな~。』
 
 
孝太郎・『酷いことをする。』
 
 
人美・『さてと、次はいよいよ姉さんの番。』
 
 
雫・『なによっ! 私は嫌だからね。』
 
 
人美・『海には現在、美味しそうなイケメンが泳いでいます。』
 
 
雫・『ま・か・せ・な・さ・い! 五秒でキャッチして見せるわよ。』
 
 
ドッボーン
 
 
恵純・『おわっ、雫さん。何するんですか!』
 
 
雫・『ほ~っほっほっ。イケメンを釣った者には、生殺の権利があるのよ。
   つまり、どう扱おうとも私の自由ってワケ。』
 
 
恵純・『釣るって、そもそも海で人間をハントしないで下さいよ。
     キャッチ&リリースの精神は何処へ行ったのですかっ。』
 
 
雫・『アンタが動かなくなったらリリースしてあげるわよ。』
 
 
恵純・『それリリースちがぁぁう!』
 
 
凛・『‥‥まさに、水を得た魚だな。』
 
 
孝太郎・『ってか、人面魚そのものじゃん。』
 
 
神間・『いや、どっちかっつうと、餌に群がるピラニアやな。』
 
 
人美・『じゃ続きまして――
     悪魔さん。さっき美女が飛び込みました。海に飛び込んでください。』
 
 
悪魔・『美女? そもそもメスが泳いでないジャナイか。』
 
 
雫・『ボケェェ! 聞こえてるわよ。』
 
 
天欄・『いえいえ。向こうに見える陸の上に、美女がいるのですよ。』
 
 
神間・『今なら、助け出したら結婚してくれるって話やで。』
 
 
悪魔・『むひょっひょっ! 俺の出番だ任せろぉぉぉ!』
 
 
ドッボーン
 
 
 
凛・『……さっぱり浮かんでこないな……』
 
 
天欄・『どうやら、打ち所が悪かったようですわね。』
 
孝太郎・『ホンッと、一瞬の出番だったね。』
 
 
人美・『じゃ、今度は天欄さん。』
 
 
天欄・『ひええっ!? 今度は私を亡き者にしようというのですか。』
 
 
人美・『‥‥そんな気はあっても絶対に云わないけど。
     規則では、海に飛び込むことになってるので。』
 
 
天欄・『もうワケが分かりませんわよ!!』
 
 
凛・『ほら、人命救助という任務があるだろ。』
 
 
天欄・『それはライフセーバーの任務であって、私の任務ではありませんから。』
 
 
神間・『しかし、雄と雌が二匹ずつ海に漂よっとるわけやから、はよ助けんとなぁ。』
 
 
天欄・『だ・か・らぁぁ! 何故私が行かなければならないt――』
 
 
奈々子・『天欄さん、頑張ってね♪』
 
 
人美・『それとも、イカリに縛り付けて海に沈められたいのカナ?』
 
 
天欄・『‥‥‥‥い、い、いやぁぁぁぁぁぁ!』
 
 
ドッボーン
 
 
 
神間・『なむなむ。ゆっくり往生せえや。』
 
 
孝太郎・『‥‥ヒドイ人たちだ。』
 
凛・『けどよ、これでやっと五人目。先は長そうだな。』
 
 
人美・『そうでもない。だってここに、こんなものが――』
 
 
孝太郎・『わおっ、それってダイヤモンドじゃん。でも、それをどうするの?』
 
 
人美・『時価1000万の値打ちがあるこれを、こうするの。 えいっ!』
 
 
凛・『おわっ、海に捨てるのか。もったいねえなあ。』
 
 
奈々子・『ねえねえ、人美姉さん。
      なんか、ダイヤがどんどん流されてるけど、いいの?』
 
 
神間・『よくあるかいっ! まてぇ! ワイのダイヤちゃぁん~~』
 
 
ドッボーン
 
 
孝太郎・『‥‥そういうことデスカ‥‥』
 
 
神間・『ワイのダイヤ、ワイのダイヤ、ワイのダイy…って、なんじゃこりゃぁ!?』
 
 
人美・『時価"1000万ニャロ"のダイヤモンド。』
 
 
孝太郎・『ニャロって、何処の国の通貨デスカッ!?』
 
 
凛・『多分、ただのガラス玉だな。』
 
 
神間・『ぬおおっ! 謀ったなぁ。この冷血非道な詐欺師m――がぶぼごぼっ
 
 
奈々子・『さよ~なら~』
 
 
孝太郎・『あああああ、又一人犠牲者が。』
 
 
凛・『こんだけ生ゴミを投下して、環境汚染に繋がらないといいけどな。』
 
 
孝太郎・『‥‥そっちの心配ですか‥‥』
 
 
人美・『さてと、最後にもう一人ぐらい用事を頼みたいところだけど。』
 
 
凛・『……』
孝太郎・『……』
 
 
人美・『覚悟はいいかな? 孝太郎君。』
 
 
孝太郎・『絶対やだぁぁ! 生贄は充分捧げたじゃん。
       もうポセイドンも海坊主もクラーケンもお腹イッパイだよきっと。』
 
 
凛・『どんな言い逃れだよ、それは。』
 
 
人美・『まあ、そういう説もあるけど。みんなもう海に飛び込みましたから。』
 
 
孝太郎・『無理やり飛び込ませただけじゃん!』
 
 
人美・『み・ん・な・も・う・飛・び・込・み・ま・し・た・か・ら!
 
 
孝太郎・『あああああ。
      その海に飛び込むか、あの世に飛び込むかの二択を迫るのは止めてくれぇぇ。』
 
 
凛・『‥‥じゃ、しょうがない。奈々子ちゃん、一緒に手伝ってあげて。』
 
 
奈々子・『わ~い♪ じゃあ私と死体ゴッコして遊ぼう♪』
 
 
孝太郎・『それは死体じゃなくてどざえもn――』
 
 
ドッボーン
 
 
凛・『あ~、その、なんだ‥‥‥‥ところで、今日は何の話だっけか?』
 
 
人美・『なぜか世界中の人種が乗ってて、
     なぜか海上火災に見舞われた、船の中のお話。』
 
 
凛・『‥‥‥‥本当は何の話なんだ?』
 
 
人美・『一般のレストランで、蝿が入ったビールを出された際の、イチャモンのつけ方。
    別に、め組チックに燃えさかるビルに、無理やり放り込まれた話でもいいけど。』
 
 
凛・『‥‥‥‥まあ、その、あれだ。
   今回は国民性の悪い所だけは、良く分かった気がするよ。』
 
 
人美・『そう。』
 

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